なにかのお祝いがあった時や記念日などの特別な日に、多くの人は洋食のコース料理を食べに行くことでしょう。
コース料理と聞くとまず頭をよぎるのがマナー(テーブルマナー)です。
コース料理を食べに行っても、スプーンやフォークはどれから使いどうやって置いたらいいのかや、スープは手に持って飲んでもいいのかなどビクビクしながら食事をしていませんか?
そんなあなたのために、この記事では洋食のコース料理の順番に沿ってマナーを解説していきます。
お店に行く前に不安になったらぜひ読み返してみましょう。
意外と知らないちょっと笑えるような面白マナーもあわせてどうぞ。

Contents
洋食のコース料理とは
まず洋食のコース料理の大まかな流れを掴んでおきましょう。
そうすることで次の所作をイメージできスマートに見せることができます。
コース料理の基本的な順番は以下のようになっています。
1.前菜(オードブル)
2.前菜(サラダ)
3.スープ
4.魚介系のメイン料理
5.口直し(シャーベット類)
6.肉系のメイン料理
7.デザート
8.コーヒー
洋食のテーブルマナーについて
いよいよマナー(テーブルマナー)について入っていきます。
各項目で重要なことをポイントとしてまとめていますので、さっと確認したい方はそちらに目を通すと便利です。
まず初めに
まず初めに何をするかというと席につかなければいけません。
日本料理では床の間の前に一番偉い人が座るというマナーがありますが、洋食や西洋料理では円卓になっているので奥から順番に座っていきましょう。
ですが座る順はそこまで重要視されていません。
ポイントは椅子に座った時の姿勢です。
椅子に腰かける際には左から入りテーブルからお腹までの距離が握りこぶし2個分ほど空くようにして座ります。
この時、椅子に浅く座るのではなく深く腰掛けられるように椅子を引いて調整しましょう。
女性の場合はバックなどを持ってきていると思いますが、椅子の背もたれと背中の間に置いてしまうと不格好になり美しい姿勢が崩れてしまうので、必ず腰の左脇か椅子の左側に置きましょう。
席に着いた際一番最初にすることはナプキンを膝の上に置くことです。
二つ折りにし折り目を手前にして置きます、口や手をふくときはナプキンの端の裏側を使いましょう。
・テーブルからお腹までは握りこぶし2個分空ける。
・椅子には深く腰掛ける。
・バックは腰の左脇か椅子の下に置く。
・ナプキンは二つ折りにし折り目を手前にして膝の上に置く。
テーブルマナーの基本
ナイフやフォークなどのことをカトラリーと言いますが、カトラリーを使う際は必ず外側から使います。
その料理で使ったカトラリーはお皿と一緒に下げられるので後の料理でどれを使ったらいいんだっけ?と迷うことは少ないと思いますが、間違えて使ってしまった場合には、テーブルに戻さずウエイターに伝え新しいのをもらいましょう。
コースの途中で席を立ちたい場合にはカトラリーの置き方が2種類あります。
まだ料理を食べている途中であれば席を立った時にウエイターに料理を下げられてしまわないよう、ナイフとフォークをお皿の上に八の字に置きましょう。
時計でいうと8時20分の位置です。
これは途中でカトラリーを置いて手を休めたいと思った時も同様にして置いておきます。
席を立つとき料理を食べ終えていた場合は料理の皿を下げてもらえるよう、ナイフとフォークを2本揃えてお皿の右端に置きましょう。
時計でいうと4時の位置です。
この時ナイフは奥で刃が自分に向くよう、フォークは手前で刺すところが上を向くようにして置きます。
また、席を立つ場合は膝にかけてあるナプキンは軽くたたんでから席を立ちましょう。
もし料理がお腹いっぱいで食べられなかった時があれば無理をせずお皿の右奥に見苦しくないようまとめて寄せておきましょう。
・カトラリーを使うときは外側から。
・食べている途中ならカトラリーを八の字に置く。
・食べ終えているなら右に揃えて置く。
コース料理のマナーと食べ方
ここからは洋食のコース料理の流れの沿ってテーブルマナーを解説していきます。
こちらの画像を使い、番号が振ってあるのでどの料理の時にどのカトラリーを使ったらいいのかも合わせて説明していきましょう。
前菜(オードブル)
オードブルとはコース料理の最初に出で来ます。
一番初めなので軽くお腹を動かすという意味合いもあります、
そのため食欲をそそる食材や見た目のお料理となっています。
カトラリーは画像5番のナイフとフォークを使います。
小さめに盛り付けてあることが多いですが、一口で食べられないと思ったら無理せず小さくナイフで切ってから食べましょう。
食べるときは自分が料理に向かうのではなくなるべくフォークを口に近づけます。
・小さく切り分けて食べる。
・フォークを口に近づけて食べる。
・カトラリーは5番を使う。
前菜(サラダ)
サラダは主に野菜をふんだんに使われ、季節感も味わうことができます。
カトラリーはオードブルと同じ5番を使いますが、店によってはその時にサラダ用に使うものを持ってくる場合もあります。
ドレッシングをかけすぎると食べ終わった後に皿に溜まりみっともなく見えるので少し少な目くらいをかけ、足りなければその都度足しましょう。
野菜は一口大にカットしてあるのがほとんどですが、もし一口で食べられないようなものがあれば、皿の上で音を立てずにカットして食べましょう。
サラダを食べるときはお皿を持って食べるのはマナー違反になるので注意してください。
・ドレッシングはかけすぎない
・一口で食べられるようにカットする
・カトラリーは5番を使う(別に用意される場合もあります)。
スープ
コース料理に出てくるスープは主にコンソメスープやポタージュである場合が多いです。

使うカトラリーは6番のスープスプーンです。
食べ方のイメージとしては飲むではなく食べる、なのが基本です。
とゆうのは日本料理の味噌汁などのようにすすったり音を立てて飲んだりするのはマナー違反だからです。
スプーンを使って手前から奥にすくいスプーン自体を口に運び、食べます。
お皿に口を近づけてしまうと、背中が丸まり姿勢が悪くなってしまうので注意しましょう。
タイトルにもある、スープは手に持ってもいいのかという疑問ですがこれはブイヨンカップなどの取っ手があるスープカップに限っては大丈夫です。
その他は基本的に、お皿を持ってはマナー違反になるので最後の一滴まで飲みたいという方は置いてあるパンを一口にちぎって浸けて食べます。
パンはいつ食べてもいいですがバターを付けたいときは9番のバターナイフを使いましょう。
・すすったり音を立てるのはNG。
・スプーンですくう時は手前から奥に動かす。
・取っ手のあるスープカップのみ持ち上げて飲める。
・パンは一口にちぎって使う。
・カトラリーは6番を使う。
・パンにバターを塗りたい場合は9番を使う。
魚介系のメイン料理
洋食のコース料理で一番食べにくい料理の一つがこの魚料理です。
ここで使うカトラリーは7番のナイフとフォークになります。
だいたい魚には骨が付いていることが多いので、フォークとナイフで食べるとなるとどうしても汚くなりがちなので気を付けましょう。
ボールに水が入ったフィンガーボールがある場合のみ手を使ってもよいです。
日本料理と同じで魚を裏返すことはできず、盛られたままの状態で骨を外しながら食べていきます。
レモンが添えられている場合、くし切なら手を使って絞り輪切りであればフォークとナイフではさみ魚に塗るようにして使いましょう。
食べにくいですが焦るとよけい不格好になるので、落ち着いて少しづつ召し上がっていきます。
・手が使えるのはフィンガーボールがあるときのみ。
・魚を裏返さない。
・カトラリーは7番を使う。
口直し
口直しには主にシャーベットが出される場合が多いです。
使うカトラリーは10番のアイスクリームスプーンです。
これは、口の中をさっぱりさせ次に出される肉料理の温かさを十分に感じさせるためです。
ここはそこまでマナーに気を付けることはありませんが、スプーンを使い上品に食べましょう。
・溶けてしまわないうちに上品に食べる。
・カトラリーは10番を使う。
肉系のメイン料理
肉料理ではおもにステーキの場合が多いです。
使うカトラリーは最後に残っている8番のナイフとフォークです。
焼き具合も聞かれますのでえ?なになに?とならずにしっかりと伝えましょう。
ちなみに生に近い状態から言うと「レア」、「ミディアムレア」、「ミディアム」、「ウェルダン」です。
「レア」は少し血が滴るほどで、「ウェルダン」は焦げる寸前までしっかりと焼いた状態になります。
よく、食べやすいからといって先にステーキをすべてカットしてしまう人がいますがこれは大きなマナー違反となるので手間ですが食べる都度切りましょう。
逆に骨が付いているものは、骨に沿って骨を取り除いてから一口にカットして食べます。
・食べるときにカットする。
・骨は先に外す。
・カトラリーは8番を使う。
デザート
お肉の後にはまた口の中をさっぱりさせるためデザートが出されます。
使うカトラリーは11番のフルーツナイフと12番のフルーツフォークです。
口直しにだされるシャーベットとは仕上がりが全く異なり、その店のパティシエが腕によりをかけて作ります。
食べ方としてはフォークとナイフで食べますが、シュークリームやフィナンシェなど手に持って食べたいデザートが出される場合もあります。
そんなときでもグッと我慢してナイフとフォークで一口にカットして食べましょう。
また、ショートケーキは尖ったほうからカットし、ミルフィーユやシュークリームなどは半分にカットしたのち先に一口くらいに切り分けてしまってから食べましょう。
・手は使わない。
・一口にカットして食べる。
・カトラリーは11番と12番を使う。
コーヒー
コースの最後には消化を促進するという効果もありコーヒーが出されます。
苦手な方は紅茶にも変えられますので気軽に近くのウエイターに申し出ましょう。
使うカトラリーは13番のティースプーンです。
コース料理を食べているときはずっと膝の上にナプキンが置いてありますが、最後のコーヒーだからといってまだナプキンは取ってはいけません。
というのも、コーヒーを頂く時に最も気を付けなければならないことはこぼすことだからです。
そのためお砂糖をコーヒーに入れるときはティースプーンに乗せてから沈めるようにして入れると、コーヒーが飛び跳ねることもなく大事な洋服やテーブルクロスを汚す心配もありません。
また、プチフールというちょっとしたお菓子が出ることもありますが、これはデザートの時とは違い手を使って食べても大丈夫です。
最後だからといって気を抜かず、それでもリラックスして優雅に楽しみましょう。
・コーヒーの飛び跳ねに一番注意する。
・一緒にだされたお菓子は手で食べてもよい。
・カトラリーは13番を使う。
食べ終えてからは
コーヒーも飲み終えたところでそろそろ楽しい時間も終わりに近づいてきます。
「家に帰るまでが遠足」ではないですが店をでるまでは最後まで気を抜かずマナーに気を付けましょう。
談笑も終わりいよいよ帰る、となったときはまず膝の上のナプキンを取ります。
ここで気を付けなければいけないことは一つだけ。
それはナプキンの置き方です。よくナプキンを綺麗にして丁寧に置いて行く人がいます。
実はこれ、「料理がおいしくなかった」というサインになるのです。
知らず知らずにやっていた人はこれから気を付けましょう。
ならどんな置き方をしたらいいかといいますと、普通にぽんと置けばいいのです。多少くしゃっとなっていても構いません。
さっと自然な感じでテーブルに置いて行きましょう。
そしてお会計をし、シェフが顔を出してくれたらおいしかったですと一言挨拶をし店を後にします。
・ナプキンはたたまず、自然な感じでテーブルに置く。
まとめ
洋食のマナーには細かいところもあり、コース料理を食べに行くとなるとどうしても身構えてしまいます。
マナーとは礼儀作法という意味があり、食事するときにいかに相手や周囲を不愉快にさせないかが本質です。
もしあなたがちょっといい洋食のコース料理を食べに行き、マナーを気にしなければならなかった時、もちろんこの記事をみてもらってもいいですが、一番はやはり相手のことを思いやることからではないでしょうか。
こんな食べ方をしていたら不快に思うだろうな、と思いそれを避けることがマナーの第一歩です。